新型コロナウイルス感染症の影響により、地元でのレジャー旅行が各地の観光市場の「常態」になり、アウトドアシーン、家族団らん、レジャー・リラックスを中核としたキャンプやピクニックが市民の憩いの新たな注目点になった。
北京の市街地エリアにある公園はキャンプ禁止のところが多いため、最近3万平方メートルのキャンプエリアを開放した温楡河公園が爆発的な人気を呼んでいる。同連休の初日、午前9時頃に車で出発した張さんは、公園近くまで来ると渋滞に巻き込まれ、午後1時になってやっと公園に入った時には、3ヶ所あるキャンプエリアはもういっぱいで、「1区画の空きもなかった」という。
大運河森林公園と通州区にある城市緑心森林公園も人気のあるキャンプ地だ。しかしキャンプエリアはほぼ満員状態で、数メートル間隔でテントがひしめきあっていたという。
郊外公園だけでなく、近郊の一部のエリアも商機を見いだしてキャンプができる場所を提供し、人気が沸騰している。大興区採育鎮は最近、主に家族キャンプ向けに営火虫楽園を開放したところ、同連休には大勢の観光客が訪れた。郊外公園ではバーベキューや宿泊などのニーズに対応出来ないのと異なり、ここでは昼間のキャンプも泊まりのキャンプも可能で、敷地内にバーベキューゾーンもあり、より多様なサービスを提供している。
ネットでキャンプギアが熱い
キャンプ熱はオフラインの観光消費を牽引しただけでなく、オンラインにも飛び火して、多くのキャンプギアや関連製品の好調な売れ行きをもたらした。天猫(Tmall)のまとめたデータによると、今年1-3月には、天猫プラットフォームで大型テント、タープ、折りたたみ式テーブル・チェアなどのキャンプギアの取引額が前年同期の2倍以上増加した。天猫のアウトドア業界専門家によると、「他国の経験によれば、恒常的なキャンプ人口は一般的に総人口の10%を占め、市場規模は非常に大きい」という。
このほど小紅書が発表した同連休旅行データからも、今年の同連休に小紅書のピクニック検索件数は同162%増加し、キャンプの検索件数も同427%増と大幅に増加した。キャンプギア、キャンプ時のコーディネート、キャンプの写真撮影、キャンプグルメなどが人気のキーワードだ。
このほど艾媒諮詢が発表した「キャンプ経済」関連報告によると、2014年から21年までの間に、中国国内のキャンプ場の市場規模は77億1千万元(1元は約19.7円)から299億元へと激増し、予測では22年の増加率は18.6%、市場規模は354億6千万元に達するとみられる。「キャンプ場+観光地」、「キャンプ場+田園」、「キャンプ場+学び」といった複数の融合スタイルがキャンプを多様化させており、急速で大規模な拡大発展をもたらしている。